脇指 787 近江大掾藤原忠廣
- Omi Daijo Fujiwara Tadahiro -

刃長 一尺二寸八分五厘弱 / 38.95 cm 反り 二分七厘弱 / 0.82 cm
元幅 28.5 mm 元重 6.3 mm
先幅 物打23.2 mm  横手位置20.2 mm 先重 物打5.5 mm  松葉先4.8 mm
目釘穴 1個 時代 江戸前期
The early period of Edo era
鑑定書 保存刀剣鑑定書 登録 昭和45年2月19日 福岡県登録
附属 ・素銅はばき
・白鞘
価格 現状渡し
400,000 円(税込)

研磨渡し
480,000 円(税込)



近江大掾忠廣は初代肥前國忠吉の子で、幼名を平作郎と称しました。彼が十九歳の時、寛永九年八月に父忠吉が六十一歳で没した為、若くして家督を継ぎましたが、既に一流刀工としての技を会得しており、一門を統率して家名を盛り立てたました。
こうして一人立ちした平作郎は、父と同じく新左衛門と名を改めて、佐賀藩工として鍋島勝茂に仕え、寛永十八年には近江大掾を受領。刀剣需要の多い時期に佐賀藩工として門弟を統率しながら数々の優れた作品を残しました。
近江大掾忠廣の知名度は高く、大業物に列位するほど斬れ味も優れ、現代に於いても人気を博す江戸前期の肥前忠吉家の名工で、事実上の二代忠吉ながらも、生涯に渡り忠吉銘は切らず、忠廣とのみ銘を切りました。
貞享三年、嫡子陸奥守忠吉(三代忠吉)の亡き後は孫の近江大掾忠吉(四代忠吉)を指導し、元禄六年五月、八十歳の高齢をもって天寿を全うしました。
作刀期間は六十有余年に及び、肥前刀の名を世に高らしめた稀代の名工です。

この脇指は元先の幅差頃好く中切先。小板目肌が良く練れて地沸付き、所謂小糠肌を呈した精美な地鉄に、匂口明るく冴えた忠吉家の御家芸である直刃を巧みに焼き上げた作品で、その直刃には一切の破綻が無く、鋩子は直ぐに先丸く上品に返っています。
現状は古研ぎで、指表区上の鎬地と横手下から鋩子にかけて、一部やや深い錆があり、総体にぼやけた印象を受けますが、それらの錆も修復研磨にて、研ぎ減らさず仕上げさせて頂きますので、肥前刀ならではのピカイチの地刃の出来を御堪能頂けます。

裸身重量377グラム。


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