短刀 319 土佐長運斎國光 昭和八年二月日七十戈
- Tosa Chounsai Kunimitsu -

刃長 八寸九分一厘 / 27.0 cm 反り 一分四厘八毛強 / 0.45 cm
元幅 27.7 mm 元重 6.0 mm
先幅 物打24.6 mm 先重 物打4.5 mm
目釘穴 1個 時代 昭和8年(1933)
The early years of Showa era
鑑定書 登録 平成11年11月18日 兵庫県登録
附属 ・銀はばき
・白鞘
価格 198,000 円(税込)



長運斎國光は、安政頃に活躍した土佐の刀工、長運斎俊宗(長運斎綱俊門)の流れを継ぐ刀工で、明治の後半より昭和九年頃までの作品を残しています。
昭和17年(1942)に現代刀匠の暫定位列表が定められ、帝展、共進会、新作日本刀展覧会等の得点表や受賞歴等を基礎に、300余名の当時の現代刀匠が掲載されています。
作位は「神品の列」「貴品上位」「貴品の列」「上工の上位」「上工の列」「良工の上位」「良工の列」の七段階に分けられ、本工國光は最上位である神品の列、最上大業に列せられた名工です。

この短刀は、平造、庵棟、総体に反りが強いも先の方での反りが一段と目立ち、小板目肌が微塵に詰んだ精美な鍛えに、細かな地沸が一面に付いて淡く直ぐ映りが現れ、刃文は匂口明るく冴えた高低差少ない小湾れを、匂深く小沸付いて焼き上げ、帽子は直ぐに先丸く上品に返っています。
地刃と独特な反り姿は、幕末の肥前三名工(九代忠吉、吉宗、吉包)に酷似しており、本刀は國光が幕末の肥前刀に倣って鍛えた会心の一刀でしょう。地刃共に実に見事に仕上げられた逸品です。

裸身重量196グラム。