短刀 284 正真(千子)
- Masazane(Sengo) -

刃長 八寸九厘 / 24.5 cm 反り 内反り
元幅 22.1 mm 元重 5.8 mm
先幅 18.8 mm 先重 物打5.0 mm
目釘穴 2個 時代 室町中期文亀頃(1501~)
The middle period of Muromachi era
鑑定書 保存刀剣鑑定書 登録 平成22年6月7日 兵庫県登録
附属 ・素銅地金着はばき
・白鞘
価格 1,500,000 円(税込)



正真は初代村正の弟とも子とも言われる刀工で、天下三名槍の一つ、本多忠勝の愛槍「蜻蛉切」の作者としても著名。※蜻蛉切は二代正真作とも

千子村正一門の特徴としては乱れの谷の深さが挙げられ、激しい乱れの高低が故に経年の研磨によって焼刃が駆け出すものがしばしば見受けられますが、本刀はかろうじて駆け出すことなく、しっかりと匂口が繋がっており、いわば正真の健全なる作品と言えるでしょう。

刃取りが表裏揃った千子派然たる作域に、護摩箸と腰樋をあしらった刀姿は、単調な彫りでありながら実に味わい深く、長い地景を随所に現した肌立った地鉄も見所の一つで、後代による仰々しいタナゴ腹中心とは趣を異としたタナゴ腹の先駆けとも言える自然な中心が、同じ千子派でも古いところのものであることを示しています。

本刀は旧家よりまとめて買い取った蔵刀の中の一振で、あちこちを茶色い錆が覆っておりましたが、現代を代表する各名匠達によって美しく蘇り、この度初めて市場の光を浴びることになったものです。
平造り。うぶ茎。表に腰樋を、裏に二本腰樋を掻き流し、地鉄は小板目が良く練れて地沸付き、地景入って肌立ち、刃文は匂口明るく冴え、湾れ調子に互ノ目を交え、乱れの谷深く、表裏揃った刃取りは村正そのもの。鋩子は直ぐに先丸く返っています。

周知、また、上述でも記述しましたように、千子派の作柄は、乱れの谷部が駆け出す傾向にありますので、少々の焼刃の駆け出しについては、許容するのが刀剣界での常識とは言え、下手な取り扱いで刃を欠けさせたり、或いは錆びさせてしまうと、折角焼刃駆け出すことなく蘇らせた本刀の価値を下げてしまうことになります。
つきましては御家族の反対を押し切ってのご購入や秘密裏でのご所持などはお避け頂き、御自身没後の管理にも、家族ぐるみでしっかりと携わって下さる愛刀家の元へお納めしたく考えております。
所有者になられる御方の死後、御家族が、本刀の価値も解らずぞんざいに扱う骨董店に手放してしまう恐れがある方は、申し訳ございませんがご購入は断念されて下さい。
しっかりと次の時代へ引き継ぐことができる環境下にある方のみ宜しくご検討下さい。


裸身重量124グラム。


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