短刀 276 無銘(新々刀海部)
- Mumei(Shinshinto Kaifu) -

刃長 四寸九分一厘強 / 14.9 cm 反り 内反り
元幅 18.9 mm 元重 8.3 mm
先幅 13.0 mm 先重 6.2 mm
目釘穴 1個 時代 江戸後期
The latter period of Edo era
鑑定書 保存刀剣鑑定書 登録 平成6年2月8日 大阪府登録
附属 ・素銅地金着はばき
・黒朽蝋塗鐘馗文様刻鞘短刀拵
価格 385,000 円(税込)



海部鍛冶は阿波徳島の海部師久を祖として幕末まで栄え、江戸時代には蜂須賀家のお抱え工とし徳島城下で活躍した一派です。
作品の多くは片切り刃造で沸出来の物が多く、阿州住某等と銘を切り、刀身銘が多々見られ、棟を鋸刃に仕立てた物も現存します。

この短刀は茎仕立を見るに、元は表裏に銘があったものと鑑せられ、出来優れているが故に銘を消されて無銘にされたものでしょう。
元幅に比して先幅が極端に落ちた、所謂刺刀造(さすがづくり)と称される刺突を目的とした鋭い造り込みで、刃長は短く、重ねが厚く頑丈で、地鉄は小板目杢交じりで柾流れ、緻密に練れて地景入って肌立ち精美。刃文は直刃に互ノ目ごころの刃を交え、刃中には砂流や解れ風の働きを見せ、稲妻入り、鋩子は直ぐに先丸く、返りは堅く返っています。

附属の拵はうぶならではの完全オリジナル。一見擦れて漆が磨耗した古鞘に見えるも、これは意図的にあしらわれた、仔細に見ると迫力ある鍾馗が大きく描かれていることに気付きます。表からは見えない指裏に、敢えて鍾馗をあしらった意匠には、我が国ならではの侘寂の心を垣間見ることができる名品です。縁頭は食出鐔一体型の銀無垢製。江戸時代、銀は高価な貴金属であったことは周知の通りですから、この短刀はさぞ高禄の武士またはその妻や娘が懐剣として所持していたことが窺い知れます。
当店にて研磨を施しましたので、手をかけることなく、気持ち良くご所蔵頂けます。拵も是非保存刀装審査を御受審頂きまして、内外共に永く御愛蔵頂ければ幸いです。

裸身重量86グラム。  拵に納めて鞘を払った重量151グラム。


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