太刀 105 |
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高円ノ杜住貞恒 平成十六年一月吉日 |
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- Takamadonomori ju Sadatsune - |
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刃長 |
二尺三寸三分五厘九毛強 / 70.78 cm |
反り |
六分九厘強 / 2.11 cm |
元幅 |
34.4 mm |
元重 |
7.0 mm |
先幅 |
物打29.5 mm 横手位置26.7 mm |
先重 |
物打5.2 mm 松葉位置4.4 mm |
目釘穴 |
1個 |
時代 |
平成16年(2004)
The middle period of Heisei era |
鑑定書 |
― |
登録 |
平成19年5月18日 奈良県登録 |
附属 |
・銀二重はばき
・黒蝋塗鞘打刀拵 |
価格 |
1,650,000 円(税込)
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貞恒は本名を藤原俊和と言い昭和39年に奈良県で生まれました。初め奈良の江住有俊に学び、入門から四年程過ぎた頃に、師弟関係のもつれから、滋賀在住の月山貞一門人の貞慎の下で刀匠の免許を取得しました。書類上では貞慎が師となりますが、実際には友人関係にありました。
古刀再現の第一人者、藤安将平刀匠とは付き合いが古く、将平の古代製鉄操業にも従事。他の現代刀匠が思いつかぬような発想を顕しました。現在も奈良に住していますが、体調不良により現在はあまり作刀していません。本名である俊和の名でも銘を切ります。
この太刀は、貞恒刀匠が体調を崩し初めた頃に、古い大和伝を目指して鍛えられた一刀で、貞恒刀匠の作刀歴で言うと晩年作となります。
身幅広く、切先も大きく、元先の幅差が目立たぬ豪壮な造り込みで、地鉄は柾目に大板目が交じって肌立ち、淡く映りごころを交え、刃文は細直刃基調に小乱れを焼き、刃中には長い金筋が現れ、小足よく入り、砂流顕著。長い二重刃三重刃を伴いながら、物打より先では子丁字も見られ、刃中、刃縁共に変化に富み、鋩子は表裏共に直ぐに先掃き掛けて砂流盛んに交えて焼詰風に極短く返っています。
銘振りや地刃の出来など、将平に似ているなと感じていたのですが、貞恒本人に確認したところ、思うように身体が動かないため、貞恒指揮の下、将平による代作代銘の作品であることが判明しました。
将平ファンの方、お見逃し無く!!
附属の拵は町井勲監修の下製作しました本造りの武用拵で、親鮫をぐるりと一枚で巻き、正絹黒糸にて諸捻りで巻き上げています。縁頭や鐺、栗形、目貫等、全て銀無垢の高級現代金具。鞘を払って構えてみると、手元重心でバランスが良く、扱い良さを感じさせます。柄にがたつき無し。鐔鳴り在り(責金無償にて承ります)。
所有者が暖房機の近くに置いていたようで、熱風が長時間当たったためと思われる塗りの剥離がありますが、無償にて塗り直し致します。柄巻も絹糸での鑑賞用上撮み巻きでの巻き直しを無償で承ります。
平成16年の作品ですが、長らく打卸に近い状態で保管されていたものを、この度研ぎ上げまして市場に初登場させる次第です。
身幅広く扱い易い一刀なので、試斬ではその斬れ味を存分に見せてくれることでしょうが、古刀写しのため焼刃が低い作品ですから、居合形稽古や純然たる観賞用としてお求め頂くのが良いかと思います。
斬れ味試験のため、私(町井勲)自身で数度畳表を斬ったことがありますが、よく斬れる一刀です。
※委託品
裸身重量817グラム。 拵に納めて鞘を払った重量1,210グラム。
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