太刀 100 一 マサヒラ作
- Ichi Masahira -

刃長 二尺五寸四分三厘強 / 77.07 cm 反り 九分六厘弱 / 2.92 cm
元幅 32.1 mm 元重 7.2 mm
先幅 物打24.8 mm  横手位置21.0 mm 先重 物打5.3 mm  松葉位置4.6 mm
目釘穴 1個 時代 平成29年 (2017)
The latter period of Heisei era
鑑定書 登録 平成29年11月24日 福島県登録
附属 ・素銅地沙綾形金着はばき
・白鞘
価格 3,500,000 円(税込)



藤安将平刀匠は昭和21年福島県伊達郡生まれ。昭和41年長野県坂城町の刀匠、故人間国宝、宮入行平師に入門。
昭和50年福島県立子山に鍛刀場を開設して独立。以後作刀の研究修練を重ね日本美術刀剣保存協会優秀賞3回、奨励賞6回、努力賞7回を受賞。平成2年には日本美術刀剣保存協会会長賞受賞。同14年日本美術刀剣保存協会寒山賞を受賞。

尾張熱田神宮、奈良護国神社など多くの神社で奉納鍛錬を行い、平成20年には、704年、佐備大麻呂の作剣以来、およそ千三百年ぶりに常陸鹿島神宮において日本刀奉納鍛錬を行う。

昭和59年秋には伊勢神宮第61回式年遷宮、御神宝太刀謹作奉仕の大役も担い、先の震災で大きな被害を受けた福島県南相馬の御刀神社復興支援にも大きく尽力され、御神宝となる直刀を謹作奉仕し、直近では福岡の宮地嶽古墳出土大直刀の復元鍛錬など、現代日本刀匠屈指の作刀技術を持っている。

平安、鎌倉時代の古刀剣再現への強い想いを持ち、長年研究修練に取り組み、国宝、重要文化財やそれに類する刀剣類、全国の砂鉄や鉄文化の知識見識も豊富で、太刀、刀、短刀、脇指、薙刀、古代直刀など、どれを手掛けても正確で美しい刀姿を造り上げる。地鉄、焼刃の手際も鮮やかで幅広い製作能力を誇り、中心鑢や銘文といった中心仕立ても現代刀匠随一で、師である行平没後、師の実子である宮入小左衛門行平(宮入恵)を預かり、弟子として鍛刀修業を積ませた経緯からも、師の信任が厚く、その技量の高さを物語っている。

近年は奈良正倉院収蔵の直刀、手鉾のなど奈良時代の刀剣類の研究、名物鶴丸國永や薬研藤四郎の復元製作にも取り組まれ、上記の御刀神社奉納直刀の焼刃などは神域に入られたと言っても過言ではない。

古刀再現の第一人者として、また、鉄をも裁断する利刀を鍛えることでもその名が高い名工藤安将平。当店々主である町井勲とタッグを組み、真の実用兼美の名刀造りに今も勤しんでいます。


この太刀は優美な腰反りの太刀姿が印象的な、将平による一文字写の作品です。
踏ん張りつくも先幅広く感じるその姿は、如何にも鎌倉武士の佩刀を連想させる力強さを持っています。地鉄は小板目杢交じりでよく練れて詰み、少しく肌立ちごころ。刃文は匂口ふわりと柔らかさを感じさせる互ノ目に丁字を交え、今現在一文字の写しとして鍛えられる現代刀とは趣が異なり、仰々しさが無く、古刀然とした自然な焼刃が織り成す景色は、近年の作品でありながらも悠久の歴史を感じさせ、刃中には足や葉が入り、鋩子は直ぐ調に先丸く返っています。
研磨コンクール上位入賞者による上研磨、上はばき、上白鞘、全ての工作を当店にて施しました。研ぎ澄まされた地刃の冴えを存分に御堪能下さい。
※将平刀匠は古刀再現を目指して鍛刀しているため、他の現代刀匠とは異なる鍛法を用います。そのため古刀然たる鍛え疵がございますが、これこそが本太刀の味と言えます。

裸身重量791グラム。


各種クレジットカード、セディナショッピングローンによる分割購入も承っております。お気軽にお申し付け下さい。