槍・薙刀 056 藤原貞行
- Fujiwara Sadayuki -

刃長 一尺三寸四分八厘弱 / 40.85 cm 反り 一寸五厘強 / 3.2 cm
元幅 30.6 mm 元重 9.2 mm
先幅 物打34.5 mm 先重 物打6.75 mm  松葉先7.0 mm
目釘穴 1個 時代 江戸前期万治頃(1658~)
The early period of Edo era
鑑定書 登録 昭和39年7月16日 福岡県登録
附属 ・銀はばき
・白鞘
価格 500,000 円(税込)



平安時代から続く豊後鍛冶は、九州に於いては薩摩に並んで古くから作刀が盛んで、豊後国高田地区(現大分市鶴崎近辺)で栄え、特に室町期から江戸初期に掛けて最盛を迎えました。
古刀期の作に平姓を銘切るものが多いことから、それらを平高田と称し、新刀期以降は藤原姓を銘切るようになったことから、藤原高田と汎称します。 古来より実用刀としての評価が高い一派で、武用刀として数多の武将に愛用されました。

この薙刀は新刀高田派の貞行の手になる物で、薙刀にしては非常に珍しい片切刃造りの珍しい品で、小板目杢交じりのよく練れた地鉄には地沸が付き、細かな地景入って精美。刃文は匂口明るく、互ノ目に互ノ目丁字や丁字を交えた複雑な乱れ刃を成し、刃中には足や葉が盛んに看取され、砂流かかり、鋩子は緩やかな乱れで先丸く返り、古雅な雰囲気を漂わせる出来口です。
特筆すべき鍛錬疵も無く、非常に出来良い珍しい作品ですので、余力ある方は然るべき研磨を施し、特別保存刀剣鑑定を御受審下さい。
※製作年代を江戸前期と記しましたが、古刀期にも藤原姓を�銘切る同名鍛冶が居ります。

裸身重量803グラム。  茎の長さ43.3センチ。