刀 1662 無銘(新刀寿命)
- Mumei(Shinto Toshinaga) -

刃長 二尺四寸三分二厘弱 / 73.7 cm 反り 六分七毛弱 / 1.84 cm
元幅 30.7 mm 元重 7.4 mm
先幅 物打23.2 mm  横手位置20.5 mm 先重 物打4.9 mm  松葉位置4.4 mm
目釘穴 1個 時代 江戸前期延宝頃(1673~)
The early period of Edo era
鑑定書 保存刀剣鑑定書 登録 平成28年3月22日 神奈川県登録
附属 ・素銅地金着はばき
・白鞘
・黒蝋塗鞘打刀拵(新調済)
価格 495,000 円(税込)



大和系鍛冶が美濃に移り派生したと伝えられる寿命は、幕末まで長く栄えた一派として著名です。刀剣界では“じゅみょう”と呼称されていますが、“としなが”と読むのが正しいようで、現存する作品の中にも“寿命トシナガトヨムベシ”と銘切った作品があったと記憶しております。
寿命と言う名に縁起良さを見出した武士達により、寿命の刀は祝賀の席での指料として、また、武家間での贈答品としても好まれました。
※特に贈答には長物が好まれたと言われ、“長い寿命”と験を担いでのことだそうです。

この刀は元先の幅差が頃好く開いて中切先。杢目鍛えの地鉄は詰んで地沸が付き、刃文は匂口明るい互ノ目乱れで、尖刃交じり、物打より先は丸みを帯びた互ノ目を焼き、刃中には金筋や砂流が見られ、横手で互ノ目を一つ焼き込んで鋩子は表裏直調に先丸く返る。
棟区に肌荒れ在り。極小さな鍛え疵点在するもさほど気にはならない範疇です。

附属の拵は店主町井勲監修の下製作しました武用拵です。金具は勝虫図で統一し、柄は堅牢な明るめの茶色の牛裏革にて諸捻巻きに仕上げています。柄にがたつき無く、鐔鳴りもありません。鞘を払って構えてみると、手元重心でバランスが良く、扱い易さを感じます。鑑賞用としても、武用刀としてもお薦めの一刀です。

裸身重量710グラム。  拵に納めて鞘を払った重量973グラム。