刀 1554 武州下原住山本内記康重
- Bushu Shitthara ju Yamoto Naiki Yasushige-

刃長 二尺三寸四分三厘弱 / 71.0 cm 反り 六分二厘強 / 1.9 cm
元幅 30.8 mm 元重 8.4 mm
先幅 物打22.2 mm  横手位置19.9 mm 先重 物打5.6 mm  松葉位置5.6 mm
目釘穴 1個 時代 江戸前期
The early period of Edo era
鑑定書 登録 昭和26年5月9日 岡山県登録
附属 ・素銅地金着はばき
・白鞘
価格 上研磨渡し
2,400,000 円(税込)



武州下原派は現在の東京都八王子に住した永正頃の山本周重を初代とし、江戸時代後期にかけて山本一族十家を中心として、大いに繁栄した一派です。
特に「廣重」「周重」「康重」「照重」の四工が著名で、地鉄に渦を巻いたような肌(渦巻き肌の如輪杢)が表れるのが特色と言われています。
初代康重は初代周重の子で初銘を周重と切りますが、北条氏康より『康』の字を給わり康重に改銘したと云われ、三代康重は山本内記と言い、二代藤左衛門康重の子あるいは孫と考えられています。四代以降は代々山本内記康重の名を襲名して明治に至ると言われていますが、経眼される作品は殆どありません。

元先の幅差開いて切先やや延び、鋭くも美しい体配を誇り、地鉄は小板目よく練れて詰んで地沸付いて精美。刃文は匂口明るく冴えた互ノ目乱れに互ノ目丁字を交え、刃中には足が盛んに入り、葉入り、刃肌に沸が絡んで鐶状の金筋現れ、互ノ目を真っ二つに二分するかのような、匂口には接せぬ鋭く細い足入り、刃縁には小沸が豊かに付き、鋩子は焼きたっぷりと一枚風に先丸く長く返って棟焼きを形成する。
特筆すべき鍛錬疵無く、非常によく纏められた康重最高傑作と称して良い一刀で、下原刀のイメージを覆す出来口です。昭和26年岡山登録800番台であることからも、池田家等の大大名家伝来品であることが窺えるうぶ出しの名品です。
美術観賞用上研磨を施してお納め致します。康重最高傑作の地刃の出来を存分に御堪能頂くと共に、特別保存刀剣同時審査を御受審下さい。

裸身重量799グラム。


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