刀 1493 無銘(信國吉政)
- Mumei(Nobukuni Yoshimasa) -

刃長 二尺一寸一分二厘弱 / 64.0 cm 反り 四分四厘強 / 1.35 cm
元幅 29.0 mm 元重 7.2 mm
先幅 物打24.4 mm  横手位置21.0 mm 先重 物打6.0 mm  松葉位置4.8 mm
目釘穴 2個 時代 江戸前期
The early period of Edo era
鑑定書 保存刀剣鑑定書 登録 令和3年6月19日 東京都登録
附属 ・真鍮地銀鍍金はばき
・藍鮫研出鞘海軍太刀型軍刀拵
価格 380,000 円(税込)



京の信國派から應永頃に筑紫に移住した「定光」は、筑紫に移住後「信國」に改銘しました。この「信國」が筑紫信國の祖となり、この一派を総称して筑紫信國と呼称し、後の新刀期の筑前信國に続きます。
信國吉政には初・二代(稀に三代も経眼する)がありますが、本作は代別極め迄はなされていません。尚、二代は初代吉政の弟で新藤氏。初代同様に平四郎と称し、貞享五年八月に六十七歳で没したといいます。作風は初代同様に備前伝を得意とし、初代の作風を継承していますが、銘振りは初代に比してやや太鏨となるのが通例で、初代は銘文に「作」の字を用いますが、二代にはそれが見られません。

この刀は大きく磨り上げられて銘を失っています。一般的な寛文新刀体配よりはやや反りが強いところを見ると、寛永頃の初代とも鑑ることも、寛文から少し下がった延宝・天和・貞享頃の二代の作とも鑑ることができます。
切先はやや延びごころで、小板目良く練れて詰んで地沸付き、地景入って淡く映りごころがあり、刃文は下半を小振りの丁字乱れ、上半を同じく小振りな互ノ目丁字を共にこずんで焼き上げており、刃中には足が盛んに入り、細かな砂流かかり、湯走風の刃を交え、匂口は明るく、鋩子は表乱れ込んで丸く返り、裏は返りの下で互ノ目を一つ焼いて突き上げるように返っています。
指表物打辺りの鎬地に鍛筋がありますが、他には目立つ疵も無く、再研磨で見違える程良くなることでしょう。

附属の海軍太刀型軍刀拵は、長年使用されていたのでしょう。金具の山吹色の鍍金がかすれて使用感はありますが、兜金(頭金具)や石突(鐺金具)の桜花葉は摩耗が少なく健全。柄にガタツキがありますが、ご自身でも経木を用いて簡単に直すことが出来ますし、有償になりますが、ご用命頂ければ当店で直してお納め致します。

裸身重量682グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,095グラム。


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