刀 1458 無銘(波平/平鎮忠)
- Mumei(Naminohira / Taira Shigetada) -

刃長 二尺一寸七分一厘強 / 65.8 cm 反り 四分六厘弱 / 1.4 cm
元幅 31.1 mm 元重 6.9 mm
先幅 物打25.5 mm  横手位置21.8 mm 先重 物打4.5 mm  松葉位置3.8 mm
目釘穴 3個 時代 室町前期~江戸初期(慶長頃)
The early period of Muromachi era ~ The early years of Edo era
鑑定書 貴重刀剣認定書(波平)
特別貴重刀剣認定書(平鎮忠)
特別貴重小道具認定書
登録 昭和40年8月25日 宮崎県登録
附属 ・素銅地赤銅着はばき
・青貝微塵塗鞘打刀拵
価格 385,000 円(税込)



平鎮忠解説
豊州高田派は、豊後国高田地区(現大分市鶴崎近辺)で栄えた刀工一派で、古刀期の作に平姓を銘切るものが多く、それらを平高田と称し、新刀期以降は藤原姓を銘切るようになったことから、藤原高田と汎称します。古来より実用刀としての評価が高い一派で数多の武将に愛用されました。
鎮忠は豊後高田派の流れを汲む刀工で、伊賀名張に住し紀伊でも作刀しました。荒木又右衛門伊賀越の仇討後、同荒木村荒木神社に鎮忠の刀が寄進されたことでも知られる刀工です。

波平解説
薩摩国での刀工の始祖は、平安時代永延(987~988)頃の大和の刀工『正国』が薩摩に移住したのが始まりと伝えられ、鎌倉時代の中期以降は代々『行安』が波平系の氏族を取りまとめる長となって、中世の鎌倉、南北朝そして室町時代、さらには新刀期まで繁栄しました。
作風の特徴は大和伝を踏襲しながらも「綾杉肌」を鍛えることでも知られており、古来より平らな波と縁起を担ぎ、水軍や海軍、海運業に携わる方々に愛されてきました。

この刀は磨り上げられるも元先の幅差頃好く開き、切先やや延びごころ。鎬高い造り込みで、表裏に腰樋と添樋を掻き流し、地鉄は小板目流れて肌立って一部綾杉がかり、黒い鉄交じり地景入る。刃文は古刀然とした柔らかみを感じる匂口で、互ノ目や互ノ目丁字を焼き上げ、刃中頻りに砂流かかり、金筋、稲妻入る。鋩子は直ぐに先丸く返る。
昭和48年の鑑定では時代を江戸初期、慶長頃に活躍した平鎮忠と極められ、昭和54年には波平と極め変えされています。高須透氏は日本美術刀剣保存協会奈良県支部で役員もされた人物。鎮忠よりも古い刀であろうと見抜かれて貴重刀剣の審査を改めて受けられたものです。現在の日本美術刀剣保存協会の保存刀剣鑑定に於いても、おそらくは波平で極められるものと思われます。

附属の拵は青貝を微塵散らしに塗られ、縁頭は赤銅地の半太刀様式。刀身を拵に納めると、柄にガタツキ、鐔鳴りあるも、手元重心でバランスが非常に良く、とても軽く感じられます。
内外共に認定書が交付された真面目な一刀。刀剣趣味初心者の方も安心して御所持頂ける当店推薦の一振です。

裸身重量607グラム。  拵に納めて鞘を払った重量899グラム。


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