刀 1427 吉家(伝加州)
- Yoshiie (Den Kashu) -

刃長 二尺三寸六分二厘弱 / 71.58 cm 反り 七分二厘九毛弱 / 2.21cm
元幅 28.3 mm 元重 6.5 mm
先幅 物打20.6 mm  横手位置16.7 mm 先重 物打4.6 mm  松葉位置3.6 mm
目釘穴 1個 時代 室町後期天文頃(1532~)
The latter period of Muromachi era
鑑定書 保存刀剣鑑定書 登録 昭和26年7月23日 大阪府登録
附属 ・素銅地金着はばき
・黒石目塗蛭巻雨龍文様鞘打刀拵
価格 600,000 円(税込)



銘鑑を繙くに、室町後期の天文頃の加賀国に吉家の名が見られます。作品が多くないようで詳しくは記述されていません。

この刀は腰元より上から反り始める所謂先反りの太刀と刀の併用姿。踏ん張り付いた姿は気品を感じさせます。地鉄は杢目肌がよく練れて詰み、地景入り、少しく肌立って直ぐ映り立ち、刃文は匂口締りごころの細直刃で、元の方はふわりと柔らかい感じで刃中まで沸え、先は上述の通り匂口が締まりごころとなって、刃縁から平地に向かっての細かな働きが顕著に見られ、打除風の刃や解れ風の刃を交え、平地から刃中にかけての稲妻が見られ、鋩子は表裏共に直ぐに先丸く返る。
日本美術刀剣保存協会の極めでは伝加州とされており、それに基づいての時代記述を行いましたが、私見ではもう少し時代を上げても良さそうにも感じられます。

附属の拵は黒石目地に黒蝋にて細く二本乃至三本の蛭巻を施し、更には雨龍文様を散らした贅沢な塗りで、痛みも無く健全。丁寧に魚々子が打たれた赤銅地の鐔には、菊花を始めとした様々な草花を円形にあしらい、縁金具も小さな魚々子を丁寧に打ち、そこに金で沙綾形文様をあしらっている。目貫は梅花に甲冑の袖と矢を配した構図良い金無垢の逸品。拵だけでも独り歩きできる名拵です。

鞘を払って構えてみると、手元重心で実にバランスが良く、非常に軽く感じられます。柄にガタツキはありませんが、居合や武用に用いる刀ではありませんので、純然たる美術鑑賞刀として末永く愛でて頂きたい一刀です。
いずれの都道府県での登録だったのか、古い登録証には記載されておらず、そのためであろう平成26年に登録しなおされていますが、元は登録昭和26年の大名登録刀で、登録番号は1096番とかなり若い番号。登録年と番号からも伝来の良さを物語る名品です。

裸身重量613グラム。  拵に納めて鞘を払った重量882グラム。


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