修心流居合術兵法 修心館
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美術刀剣 刀心
徒然日記
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高性能ハイスピードカメラによる異物試斬撮影協力

 秒間6,600コマの高性能ハイスピードカメラによる異物裁断の瞬間を収める撮影に協力させて頂きました。日本刀によるこれらの異物試斬は、一見簡単そうに見えますが、いずれも確かな腕がなければ成しえることはできず、一般的な居合・抜刀家ではここまで綺麗に裁断することはまず不可能です。
麦茶ペットボトル
 ペットボトル内の麦茶が鋭い振りによって二分される様がよくわかります。日本刀による斬時の圧力は下方にのみかかるようです。
斬手=修心流創始 町井
トマト
 綺麗に斬るのが難しいことは、夜な夜なテレビショッピングで紹介される包丁の斬味実演でもご存知の通り。小さな裁断標的を確実に横一文字に裁断。トマトは崩れることなく綺麗に上下二つに裁断され、斬り離された上部が再び下部の上に重なるように載り、それが静かに滑り落ちる様はまさに芸術です。トマト裁断面は非常に美しく、中身も散らばることなくそのまま残っています。
斬手=修心流創始 町井
玉葱
 中身がぎっちり詰まった玉葱は、トマトと異なり、裁断すると刀の刃肉と平肉による加圧のため、上下に押し開かれることがわかります。屋外での撮影のため、日が落ち始めて画像が暗く見辛いのが惜しいです。
斬手=修心流創始 町井
生卵
 裁断時の圧力は下方に強く現れるため、刀の重ね分だけ卵の下方だけが砕けます。斬り離された卵を比較すると、上部のみ斬口が綺麗に現れることがわかります。このような小さい標的を確実に斬るには、それ相当の高い技術が必要です。
斬手=修心流創始 町井
林檎NG
 たまたま斬り損ねた林檎裁断動画ですが、斬口がハート形に飛んでいく様子が面白く、まるで林檎が投げキッスをしているようで愛らしい動画です。
 NGを出した言い訳をさせていただきますと… よく見ると林檎に斬り込む手前で刀の軌道が変わっていることに気づかれるはず。軌道を変えずにそのまま振り下ろせば確実に真っ二つに裁断できたのですが、それでは台代わりの巻藁にまで斬りこんでしまうと判断したため、とっさに刃筋を変えたのです。勿論巻藁ごと裁断しても良かったのですが、林檎と共に台まで斬り込むというのは、私個人の見解としては許されない醜態であり、どうしても避けたかったわけです。ちなみにこの撮影の後、林檎は再度斬り込んで綺麗に両断しました。
斬手=修心流創始 町井
キャベツ
 袈裟斬した残りのキャベツを斬上で両断。斬上時にかかる刃肉と平肉の圧力の方向がよくわかります。
斬手=修心流創始 町井
林檎再び
 先で斬り損じた林檎を今度はちゃんと斬りました。狙い通り台代わりの巻藁には斬り込まずに一刀両断です。よく見ると種も二つに斬れて宙を舞っているのがわかります。林檎も生卵同様に、弾力と粘りがないため、斬り込んだ刀の刃肉と平肉に押し開かれ、所々に小さく割れが入るのがわかります。竹を斬ると上方はなんともないのに、下方はバリバリに割れているのもこれと同じ現象が起きているわけです。
斬手=修心流創始 町井
水風船
 1リットル程の水を入れた風船を水平に両断しました。袈裟斬りでの水風船裁断は稀に見かけますが、水平斬りは珍しいのではないかと思います。今回の異物試斬を企画した齋藤さんに「どの方向から斬りますか?」と指示を仰いだところ、水平と言われた時には「なんと斬手泣かせな」とたじろいながらも、なんとかこなしたこの撮影です。
 カメラ位置と斬る方向の関係から、水が両断されているのが判りづらいかもしれません。
 ちなみに自己評価としては60〜70点ってところでしょうか。水がもう少し風船の原形を保ったまま両断できなかったものかと反省しています。また機会があるなら是非とも再チャレンジしたい項目の一つです。
斬手=修心流創始 町井