12-1815
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月下採芝仙人唐子図鐔
無銘
-Mumei-

縦82.15ミリ 横76.5ミリ 切羽台厚3.85ミリ
重さ138.4グラム
江戸中期~後期 The middle to latter Edo period
附属 桐箱


採芝図は、不老長寿の仙薬とされた霊芝を採る仙人や高士を表す、中国の神仙思想に由来する吉祥画題です。本品は右上に銀色の三日月を浮かべ、その下に髭を蓄えた老仙、左下には髭を備えた高士とその傍らに寄り添う唐子を配し、中央の霊芝を囲む三者の視線と身振りによって、秋の夜の採芝の一場面を物語っています。長寿を象徴する霊芝と子孫繁栄を願う唐子を一図に収めた、吉祥性と物語性を兼ね備える構成です。

縦82.15ミリ、重さ138.4グラムという大振りで量感のある鉄地を用い、広く残した余白を夜空に見立てる一方、右側には薄を大きく立ち上げています。薄の葉は赤銅、穂は金色絵で表され、右下の老仙には金色の衣と銀色の手足を組み合わせて、暗い鉄地の中へ鮮やかな焦点を形成。左下の高士と唐子は落ち着いた色調でまとめられ、中央の霊芝を介して老仙と呼応する配置が画面に奥行きと物語の流れを与えています。

人物の顔立ちや髭、衣文には細かな彫りを重ね、霊芝と足元の草々にも金色絵を施すことで、視線を三日月から薄、人物、地上の景物へと滑らかに導いています。裏面にも左下へ草を配し、金色絵と赤銅による控えめな彩りを添えているため、表裏を通して秋夜の景色が途切れません。耳は鉄地を外側へ折り返して厚みを持たせた打返耳とし、大振りの鐔に相応しい引き締まった輪郭と堅牢な趣を備えています。

三日月の冷たい銀色、薄の金と赤銅、人物の衣を彩る金銀が、深い鉄色の上で互いを引き立てる一枚です。大きな画面を生かした大胆な余白と、近くで眺めるほど発見のある人物・秋草の細工が両立し、拵へ掛けた際には堂々と収まり、独立した鑑賞品としても強い存在感を放ちます。