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推奨販売価格 385,000円(税込)/350,000円(税別)
布袋唐子遊戯図縁頭
直道
-Naomichi-
縁金具の縦38.25ミリ 縁金具の幅13.1ミリ 頭金具の縦34.83ミリ
重さ40.2グラム
江戸中期~後期 The middle to latter Edo period
附属 桐箱
宗田直道は江戸中期後半から後期初頭にかけて大坂で活躍した金工で、京都の宗田徳直の子、通称を又兵衛といい、大坂安土町に住したと伝えられます。高彫と肉合彫を巧みに用い、とりわけ人物の顔貌や身振りへ豊かな生気を与える表現に優れたことで知られ、本品に見られる布袋の悠然とした面差し、唐子の無邪気な表情、丸みを帯びた肉取りや柔らかな衣文にも、直道の人物彫刻に通じる魅力がよく表れています。作品全体に漂う時代感も自然で、大坂金工ならではの洒脱さと確かな彫技を味わえる一組です。
画題は、大きな袋を携えた布袋と、その傍らで無邪気に遊ぶ唐子を描いたものです。布袋は弥勒菩薩の化身ともされた福神で、豊かな腹と朗らかな笑み、大きな袋を象徴とし、円満、福徳、子孫繁栄を願う吉祥画題として親しまれてきました。子供たちと戯れる布袋唐子図は、布袋の包容力と唐子の健やかな生命力を一つの場面へ重ねるもので、福々しさの中に機知と親しみを備えた、刀装具にもよく映える意匠です。
頭では、ゆったりと身を預けた布袋へ唐子が近づき、細い物を鼻先へ差し出して戯れる一瞬を捉えています。布袋の大らかな顔貌、豊かな腹、頬から顎へ続く柔らかな肉取りに対し、唐子は小さな身体を伸ばして上を向き、二者の体格差と視線の交わりによって微笑ましい物語が生まれています。布袋の袋を大きな金色の面として画面へ巡らせ、唐子の衣には金色絵、手元には銀色を配することで、落ち着いた地色の中へ明快な焦点を作り、丸みを帯びた頭の曲面を余すところなく生かしています。
縁には、横たわる落ち枝と、その上に置かれた唐団扇、さらに身を低く屈めて団扇へ手を伸ばす唐子の姿が、横長の画面を生かして描かれています。唐子はかがみ込み、右手に握った枝の先を唐団扇へそっと近づけ、あたかも枝を使って団扇を手元へ引き寄せようとしているかのようで、その慎重な仕草と悪戯心を含んだ表情から、静かな場面の中に微笑ましい動きが生まれています。金色絵を施した唐団扇は頭に表された布袋の持物を思わせ、布袋の目を盗んで取ろうとしている唐子という一続きの物語を想像させる巧みな構成であり、銀色で表された顔と手、金の文様を散らした衣、落ち着いた四分一地が細やかに呼応し、人物の愛らしさと洒脱な趣向をいっそう引き立てています。
四分一地には穏やかな古色が宿り、その上へ高彫、象嵌、金銀素銅の色絵を重ねた仕立ては、角度を変えるたび人物の顔、衣、玩具の質感を異ならせます。とりわけ頭の鵐目金具には約1.3グラムの金無垢が用いられ、品位は18金前後と推定される贅沢な造りで、金属そのものの価値に加えて、拵へ装着した際の格調を高める重要な見どころとなっています。江戸中期後半から後期初頭の大坂金工らしい洒脱な人物表現、布袋唐子という福徳に満ちた画題、豊富な色金と金無垢金具が一組に凝縮され、作者銘だけでなく作品そのものの出来にも十分な魅力を備えた、手元で見るほど細部の味わいを深く楽しめる縁頭です。
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