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| 作風が木彫りの「鎌倉彫」によく似ているから鎌倉鐔と呼ばれ、鎌倉時代や相模国鎌倉という地名とは関係がありません。 鎌倉鐔は鉄を素材とした板鍔に、必ず鎌倉彫の手法で菊や唐草などの草花や、塔や橋、或いは中国風の楼閣山水などの絵風文様が浅く鋤出彫 (すきだしぼり) されています。 系統的には、刀匠鍔や甲冑師鍔より構図や技法をさらに一歩進歩させたものと言えなくもありませんが、戦が多かった時代背景もって量産された物が多い為、鍛えの良い少数のものは例外として、総じて鍛えは刀匠鐔や甲冑師鐔に比べて劣り、手入れをしても光沢が出てこない傾向にあります。また、 鎌倉鐔に有銘のものはなく、全てが無銘であります。 この鐔は鉄味の悪さが謳われる鎌倉鐔にあって、上述の通り、まさに鍛えの良い少数の名品の一つ。入念に鍛えられた鉄の地鉄模様がしっかりと浮き出ており、耳には赤銅で覆輪がかけられ、シンプルなデザインながらも威風堂々とした趣を感じさせる逸品です。 |
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