No.749
 
菊花透鐔
長州住友久
Choshu ju Tomohisa
縦:72.0mm / 横:67.0mm / 切羽台厚:4.4mm
重さ 74.9g
附属 : 桐箱
保存刀装具鑑定書
 
  ¥ 198,000 (税込)  

長州・萩は、毛利家三十六万九千石の城下町として栄え、他藩へ輸出して財源を潤す為に長州藩は積極的に鐔造りを奨励した。このため、東の会津に対して西の長州と言われるほど、鐔工とその作品の数が多い。毛利氏以前にこの地を支配していた大内氏は、京都から古正阿弥系の鐔工たちを招いて製作に従事させ、その後、毛利氏の時代となっても、埋忠系の岡田氏が長州へ移住してくるまでは、正阿弥の流れを汲む河治・中井・岡本の三家が主となって鐔の製作を行っていた。
また、長州の鐔工達は江戸中期以降に江戸伊藤派との交流を盛んに行うようになった為、伊藤派の影響を大きく受けた。このため、長州鐔には伊藤派の鐔と類似しているものが数多く見受けられる。
以上のような理由もあり、長州鐔の作風は一概に言えないほど多岐に亘っているが、比較的著名な家としては、先に挙げた河治・中井・岡本・岡田の他に、金子・中原・藤井・井上・八道などがある。各派の作品とも、"長州萩住"や"長門国萩住"などと居住地を切ったものが多い。

この鐔は鉄地に菊花を巧みな彫金技法によって刻しており、菊の花弁や葉脈が繊細に刻まれている。構図も良く、仕事振りも良いので、鐔単品でも観賞用としてお楽しみ頂けます。刀用。保存、特別保存の鑑定を是非御受審下さい。