No.670
 
釣狐透鐔
干英子野村包教製 江州彦根住
Kan-eishi Nomura Kanenori Goshu Hikone ju
縦:67.1mm / 横:63.8mm / 切羽台厚:4.1mm
重さ 99g
附属 : 桐箱
特別保存刀装具鑑定書
江戸中期享保・元文頃(1716〜)
The middle period of Edo era
 
  ¥ 660,000 (税込)  

野村包教は、三郎次或いは三郎兵衛と言い、干英子と号す。近江国彦根の出身で江戸に住したと言われているが、「江戸住」と銘した作は無く、いずれも「江州彦根住」という地名を銘文に添えている。作風は藻柄子一派と同趣で、同派の有力な分派である。生没年は未詳であるが、「享保九甲辰鶯時」と年紀のある作品が確認されており、ほぼその活躍期を窺い知ることができる。藻柄子一派の巧手であり、野村家一門の中心的存在である。

この鐔は鉄味の良い地板を、藻柄子一派が得意とする巧みな透かし彫りにて、人に化けて悪戯をする狐を捕獲せんと、罠を仕掛ける猟師を表情豊かに高肉彫りに仕上げた包教の傑作。保存状態も芳しく、頗る状態が良い名品中の名品。