脇指 776 無銘
- Mumei -

刃長 一尺九寸七分三厘強 / 59.81 cm 反り 三分三厘 / 1.0 cm
元幅 28.9 mm 元重 7.05 mm
先幅 物打23.8 mm  横手位置21.8 mm 先重 物打5.6 mm  松葉先5.8 mm
目釘穴 1個 時代 江戸前期
The early period of Edo era
鑑定書 登録 平成31年3月28日 和歌山県登録
附属 ・素銅地赤銅着はばき
・腰篠塗丸に木瓜紋石目塗鞘打刀拵
価格 600,000 円(税込)



二尺に近い刃長に、うぶの打刀拵、天井が低い室内での有事に備えた造りである。切先延びて力強く、地鉄は小板目杢混じり、よく練れて詰み、地沸付く。刃文は互ノ目丁字乱れで、刃縁には砂流が盛んに見られ、金筋、稲妻、足、葉入り、尖りごころの刃混じる様は、煮えたぎるマグマを連想させる。鋩子は直ぐに表は先掃き掛けて沸筋食い下げ、裏は先突き上げごころに共に丸く返る。

上述の通り天井が低い室内での有事に備えたうぶの拵は現代に於いて、当時の士の武に対する姿勢を研究する意味でも大変貴重な存在で、長い鞘に刃長短い刀身を仕込んだり、逆に短く見える鞘に目一杯長い刃長の刀身を仕込む等、敵に間合を読ませない工夫が凝らされました。このような拵は後世の商売人によってバラされたり、鞘尻の方から穴をあけて長寸の刀が入るように改造されたりと、年々その姿を消しています。
そんな中、この長脇指が仕込まれた打刀拵は非常に状態が良く、柄巻のみ絹糸の風化が進んでいたため、当店にて上巻きを施し直しました。
鐔鳴りは僅かに見られますが、柄にがたつきは無く、しっかりとしており、切羽も完全なオリジナルですり替えられていません。鞘を払って構えてみると、手元重心でバランスが良く、本刀を腰に帯びていた当時の士の武辺魂が覗える逸品です。
特別保存刀装審査並びに保存刀剣鑑定を是非とも御受審頂き、後世に現在の姿のまま残し伝えて下さる方にお譲りしたく考えております。

裸身重量645グラム。  拵に納めて鞘を払った重量987グラム。


各種クレジットカード、セディナショッピングローンによる分割購入も承っております。お気軽にお申し付け下さい。