脇指 663 近江守忠吉(六代)
- Omi no kami Tadayoshi (6nd Gen)-

刃長 一尺七寸四厘弱 / 51.65 cm 反り 二分七厘 / 0.82 cm
元幅 31.2 mm 元重 8.3 mm
先幅 物打24.0 mm  横手位置21.2 mm 先重 物打5.6 mm  松葉位置4.5 mm
目釘穴 1個 時代 江戸中期
The middle period of Edo era
鑑定書 特別保存刀剣鑑定書 登録 昭和29年11月20日 宮城県登録
附属 ・素銅地銀着沙綾形はばき
・白鞘
価格 660,000 円(税込)



肥前国鍋島藩工として名高い肥前国忠吉宗家の六代目忠吉の脇指である。
元文元年に生まれ、父である五代忠吉の二男で、長男が早世したため、橋本新左衛門を襲名。先代存命中は、忠廣と名乗り、専ら先代の代作を手がけたと言われる。寛政頃を中心として活躍し、寛政2年6月に近江守を受領。 文化12年12月28日に80才で亡くなるまで一貫して、肥前伝統の直刃を墨守したが、上述の通り先代の代作に任じていた期間が長かったため、自身銘が少なく、現存する作品はいずれも貴重。

この脇指は元先の差が開いた優雅な姿で、地鉄や刃文はまさに肥前刀の代名詞とも言うべき小糠肌と直刃。一切の破綻無く、見事なまでに家伝の鍛法を墨守した仕上がりは見事の一言に尽きる。
忠吉家と言えば初代、二代、三代、そして八代が名工として高く評価されているが、それ以外の忠吉も技量は高く、いずれの忠吉も刮目すべきであろう。
この六代忠吉による脇指に於いては、大人しい直刃から、物打上より互ノ目を交え、横手に互ノ目を一つ焼き込んだ様が、長らく先代の代作に従事してきた六代忠吉の、六代襲名後は少し自分らしい刀を鍛えてみたいと言った彼の人生と思いを表現したかのように感じられてならない。

裸身重量545グラム。


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