短刀 264 八十三翁菅原包則
- Sugawara Kanenori -

刃長 五寸一厘強 / 15.2 cm 反り 僅かに内反り
元幅 19.9 mm 元重 6.2 mm
先幅 15.7 mm 先重 5.2 mm
目釘穴 1個 時代 昭和前期
The early period of Showa era
鑑定書 保存刀剣鑑定書 登録 昭和35年1月19日 大阪府登録
附属 ・銀台金着はばき
・黒蝋塗鞘合口短刀拵
・白鞘
価格 495,000 円(税込)



本名、宮本志賀彦。天保元年8月25日、伯耆国武田村大柿(現:鳥取県-倉吉市大柿)の造り酒屋を営む旧家に生まれ、嘉永4年22才で刀工を志し、備前長船横山祐包の下で備前伝の鍛刀を学びました。安政4年、因幡藩倉吉の家老、荒尾志摩の抱工となり、さらに文久3年、京都有栖川熾仁親王の信任を得て、孝明天皇の御剣を鍛造し、慶応2年37才で能登守を受領しました。
その後も明伊勢神宮の宝剣・鉾・鏃など多数を精鍛し、明治39年4月に月山貞一と共に帝室技芸員(人間国宝)の栄職を得て専ら皇室の刀剣類を謹鍛しま、大正15年10月24日97才の高齢で没するまで、鳥取、倉吉、京都、東京等各地で鍛刀し活躍しました。

この短刀は、刃長五寸と短く、附属する拵からも察することができるように、女性用懐剣として鍛えられた一刀。白鞘を見ると「昭和二十年四月十六日 長女久子へ」と鞘書きがあり、長女の誕生を祝ってか、或いは長女の嫁入り時に贈り持参させたのか、いずれにせよ父母から娘への愛がひしひしと感じられる一刀で、鞘には枝菊が闇蒔絵にてあしらわれており、相当な費用をかけて造られた様子も窺えます。
刃長の割に茎が長く感じられ、元からすっと切先に結んだ鋭さを感じさせる姿で、地鉄は小板目よく練れて地沸付き、地景入って精美。刃文は匂口明るく冴えた湾れ調子の互ノ目乱れで、盛んに沸付くも、匂口には柔らかさが感じられ、刃中には足や細かな砂流が看取され、突き上げた感じで返りを深く焼き下げています。

裸身重量91グラム。  拵に納めて鞘を払った重量112グラム。


各種クレジットカード、セディナショッピングローンによる分割購入も承っております。お気軽にお申し付け下さい。