刀 867 無銘(新刀寿命)
- Mumei(Toshinaga) -

刃長 二尺三寸一分六厘 / 70.18 cm 反り 四分九厘 / 1.48 cm
元幅 30.3 mm 元重 7.7 mm
先幅 物打25.1 mm  横手位置21.7 mm 先重 物打6.0 mm  松葉先4.7 mm
目釘穴 1個 時代 江戸前期
The early period of Edo era
鑑定書 保存刀剣鑑定書
貴重小道具認定書
登録 昭和45年9月1日 島根県登録
附属 ・素銅地金着はばき
・黒蝋曙塗鞘打刀拵
価格 770,000 円(税込)



大和系鍛冶が美濃に移り派生したと伝えられる寿命。幕末まで長く栄えた一派として著名です。刀剣界では“じゅみょう”と呼称されていますが、“としなが”と読むのが正しいようで、現存する作品の中にも“寿命トシナガトヨムベシ”と銘切った作品があったと記憶しております。 寿命と言う名に縁起良さを見出した武士達により、寿命の刀は祝賀の席での指料として、また、武家間での贈答品としても好まれました。※特に贈答には長物が好まれたと言われ、“長い寿命”と験を担いでのことだそうです。

この刀は、粗見するとうぶ中心のように見えますが、大磨上無銘の刀です。特筆すべき疵欠点無く、入念に練られた地鉄が肌立ち、匂口明るく冴えた互ノ目乱れを小湾れ調に焼き上げ、刃中働き盛んで砂流が顕著にかかるなど、見所多き逸品です。
当店にて美術鑑賞用上研磨を施しました。研ぎ上がったばかりの清々しい地刃の冴えを存分にお楽しみください。

附属の拵は黒蝋塗を基調に曙塗りとした趣きある品で、縁頭と鐔は鉄線花で揃えられ、目貫は花籠図を装着し、全体的な構図もしっかりと考慮されているので見栄えが良く、裏革でしっかりと巻かれた時代物の柄巻きも好感が持てます。更には実戦を考慮した造りの素銅切羽となっており、はばき側の切羽は特に分厚く造られているのも興味深い品です。
※私見では新刀寿命の極めにはやや疑問を感じます。焼き出し部分を見るに磨り上げられた形跡が見られますし、古い時代の作品と思われます。

裸身重量793グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,071グラム。


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