刀 1569 無銘(伝志津)
- Mumei(Den Shizu) -

刃長 二尺一寸六分七厘強 / 65.68 cm 反り 四分六厘弱 / 1.4 cm
元幅 26.3 mm 元重 5.3 mm
先幅 物打22.6 mm  横手位置17.7 mm 先重 物打4.7 mm  松葉位置3.5 mm
目釘穴 2個 時代 鎌倉末期~南北朝初期
The last years of Kamakura ~ The early years of Nanbokucho era
鑑定書 特別保存刀剣鑑定書 登録 令和4年4月13日 富山県登録
附属 ・素銅地金鍍金二重はばき
・白鞘
価格 上研磨渡し
3,960,000 円(税込)



志津三郎兼氏は、正宗十哲の一人として美濃伝の発展に大きく寄与した大和国手掻派出身の刀工で、当初は包氏と名乗っていましたが、正宗に学び相州伝を修得し、美濃国志津(現在の岐阜県海津市)に移住して志津三郎兼氏に改名しました。
兼氏の死後、その弟子達が志津系を継承し、隣接する直江村に移住。一派の名称は直江志津と呼称され、大和伝と相州伝を加味した美濃伝を完成させました。

この刀は大きく磨り上げられて銘を失うも、すらりとした姿が印象的で、元は刀樋に添樋が掻かれていたことが茎に残る添樋の名残から見て取れます。
南北朝時代と言えば身幅広く豪壮な作品が多いイメージが強いですが、実は刀身が長大化したのは南北朝中期の約20年間のみであり、本刀はその姿等から鑑ても、鎌倉末期から南北朝初期の作であることが覗われます。
地鉄は板目に杢が交じり、肌が流れた箇所も見られ、地景が入り、刃文は小湾れに互ノ目や丁字、尖刃を交え、刃縁には砂流や湯走が看取され、鋩子は表裏共に湾れ込み、先よく掃き掛けて丸く返っています。

登録年月日からも察せられるように、本刀はこれまで長く眠っていた初出しの名刀です。現状では研ぎが悪く、本刀が持つ魅力と、冴えた地刃の出来が引き出されておりませんので、美術鑑賞用上研磨を施してお納め致します。
写真では下半の焼刃が眠いように見えますが、研ぎを変えることでガラリと雰囲気が変わりますから、そう言った研ぎによる変身振りも是非ご堪能頂きたく思います。
※委託品

裸身重量464グラム。


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