刀 1303 無銘(伯州吉幸)
- Mumei(Hakushu Yoshiyuki) -

刃長 二尺三寸九分九厘弱 / 72.7 cm 反り 五分六厘強 / 1.72 cm
元幅 32.6 mm 元重 8.0 mm
先幅 物打25.2 mm  横手位置21.7 mm 先重 物打5.8 mm  松葉位置5.0 mm
目釘穴 1個 時代 江戸末期文久頃(1861~)
The last years of Edo era
鑑定書 貴重刀剣認定書 登録 昭和42年10月17日 大阪府登録
附属 ・銀紋入はばき
・白鞘 / 簡易継木
・黒蝋塗鞘打刀拵
価格 495,000 円(税込)



吉幸は生国出雲能義郡小佐村で、山崎平右衛門吉広の子として生まれ、後に清水正吉(吉行)の養子となり、名を清水藤四郎と称し、米子に住しました。作刀に関しては初銘を吉行、後に吉幸と改銘。号を曙峯軒と称し、生国である雲州に於いても作刀しています。明治19年9月21日75歳で没しました。

この刀は元先の差が程好く開き、江戸後期に一世風靡した復古論に乗じた先反り(先反り=腰元から少し上で反りが付き始める姿)で、刃物でありながらどことなく優しさを感じさせます。地鉄は小板目肌よく練れて少しく肌立ち、地沸付いて地景入る。刃文は匂口明るい小沸出来の大湾れで、匂口締まり、湾れの山の部分には小足が頻りに入って細かな丁子乱れを呈し、刃縁には細かな砂流や金筋、稲妻が見られ、葉入り、指裏の元の方には食違刃の如き働きも見られ、千変万化の景色を楽しませてくれ、帽子は表裏共に直ぐに小丸に返っています。
特筆すべき鍛錬疵が無く、美術鑑賞刀として申し分ない出来口を誇っており、銀無垢のはばきには丸に違い鷹ノ羽紋が刻され、大切にされていた様子が窺えます。

附属の拵は店主町井勲監修の下製作致しました簡易武用拵で、鞘を払って構えてみると、刀身中央から手元にかけての重心で、重さの割にバランスが良く、武用としても申し分ない一刀です。

裸身重量833グラム。  拵に納めて鞘を払った重量1,086グラム。


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