刀 1264 土州住関田勝弘 天保十年二月日
- Doshu ju Sekita Katsuhiro -

刃長 二尺九分五厘 / 63.48 cm 反り 六分六厘 / 2.0 cm
元幅 28.6 mm 元重 6.7 mm
先幅 物打22.7 mm  横手位置20.0 mm 先重 物打4.6 mm  松葉位置4.2 mm
目釘穴 1個 時代 天保10年 (1839)
The latter period of Edo era
鑑定書 保存刀剣鑑定書 登録 平成18年6月13日 東京都登録
附属 ・陸軍九八式軍刀拵(アルミ鞘)
・素銅地銀着はばき
価格 550,000 円(税込)



勝廣は江戸後期に活躍した土佐山内家の御用鍛冶。筑前の鍛冶「左行秀」を土佐に招き、土佐定住と藩工への斡旋を行ったことで知られます。行秀も勝廣の鍛冶場を使用して作刀しており、勝廣の死後、その後を継ぎ行秀が土佐藩工となっています。本作は『天保の大飢饉』の時の作品で、この後の8月には土佐藩内に倹約令が出ました。食べるものが無く、大変な時代に作られた刀ですが、生きるために一生懸命鍛えたため、優れた作品も多く、「天保打ち」として全国的に高い評価を受けています。
勝廣の現存する有銘作は少なく、 知られる作品としては高知城歴史博物館に脇指が一口、小刀が数点のみ収蔵されているのみ。

この刀は刀身に比して茎が長く、茎にも反りが高く付き、元先の幅差が程好く開き、地鉄は小板目よく練れて詰み新々刀然としており、地沸付いて淡く映りごころ在り。刃文は中直刃基調に所々に湾れや節を交え、匂口はあ明るく冴えて締まるも刃方に向かって煙込み、表裏元の方には一際強い大粒の沸が付き、鋩子は表裏直ぐ調に弛みごころを見せ、丸く返っています。
現状、ヒケや擦れ傷がついており、研ぎ上がりに比べると些か見劣りするかもしれませんが、特筆すべき疵欠点無く、しかも現存数少ない作品ですので、資料的価値も高い一刀です。余力ある方は是非とも研磨、白鞘の諸工作を施し、美しい状態で次の時代に引き継いで頂きたく思います。

附属の陸軍九八式刀拵はアルミ鞘で、柄気に用いられている鮫皮はセルロイド製。通番号は全て2362で揃った完品です。長く職業軍人が用いていたため、金具の桜花葉の摩耗が見られます。鞘尻の石突金物の螺子が欠落していますが、当店にて修復可能ですのでお気軽にご相談下さい。柄糸にやや傷みが見られるので、柄糸巻き直しご希望の方もお気軽に当店にご用命下さい。

裸身重量544グラム。  拵に納めて鞘を払った重量924グラム。


各種クレジットカード、セディナショッピングローンによる分割購入も承っております。お気軽にお申し付け下さい。